コンビニとか 信号とか 蟻の行列だとか 電線とか

新作のビデオとか インスタントコーヒー アスファルトの色 ペンキの匂いだったり

窓から見た街並みとか 昨日見た犬の間抜け面 三日目のカレー 手の平

擦れ違った人が駆けていく 缶ビールの味気なさとか しあわせとか

雨音 花びら 学校のチャイム 見上げた街灯とか 蛾の羽ばたき 見慣れた景色とか ススキの揺れ方

お前の背中とか

空とか









久保ちゃんは何も言わない。
言いたい事は何でも言うけど、
言いたくない事は、何も。

別に、それでもいいって思う。
俺だって言わない事はあるし、
言いたくない時も、ある。
悲しい時もある。
思い出せなくっても、ある。

何でそう思うのか、俺には分からない。
分からないけど、何となく、悲しい。
かなしい。
寂しくはないんだ。久保ちゃんもいるし、俺が、いる。
どうにか遣り過ごす涙も、飛んでくくらい
お前がいる
それが俺にとって、全部。

でも久保ちゃんは、何も言わない。
俺を見る目は、何時も優しくて
時々厳しくて、でも、それでも優しくて。
痛くて。いたくって。

ずっと居るって、此処に居るって
一緒に居るって、言っても
うん、って笑うお前は
なんか諦めてるみたいで
でも、強く望んでるみたいで
期待、してるみたいで


だから、言う


側に居るって


何時でも、居るって




お前は笑う
だから、笑う






いつかを、本当にする為に







何度でも 君に云う。


2011/11/10

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