私の中に一ツの哀しみがある
途方も無く広く小さな哀しみの姿が
無減圧限界を飛び越えて
飽和する窒素に陶酔して往く身体を持て余す様に
千尋の海底を這う 哀しみの姿がある
星々の瞬きが頬を撫で上げる黄昏から逃げ出して
唯の独りきりの己を嘲笑する酸素の只中に在り
押し黙り 声も無く叫び喚く 哀しみの姿が
一ツ、また一ツと忍ぶ様に歩を進めながら
私の核心へと迫り来る音がする
全て流してしまった所で 此処には何も残らないのだろう
せめて凍える事の無い様にと
この哀しみを全身に満たしてしまえば
私は私の哀しみで 私自身の過去を騙す振りをする
私の絶望は 私のもの
2007/9/23
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